ミャンマークーデターの原因を分かりやすく解説!これからの展開は?

政治・経済

2月1日、ミャンマー国軍が軍事クーデターで政権を掌握したというショッキングなニュースが飛び込んできました。

ミャンマーアウンサンスーチー国家顧問の下で、とっくに民主的な政権に移行したはずなのに民主的な潮流に逆行した現象が起きる原因はどこにあるのかを、ふだん国際ニュースはあまりみないという人にも分かりやすく述べてみます。

軍事政権のこれからのやり方によっては国際社会からの介入やコミットも考えられ、これからの展開もどのようになっていくのか気になり、今後も分かりやすく展望してみたいと思います。

ミャンマークーデターの原因を分かりやすく解説!

軍人クーデターのミャンマーに現在何が起こっているか?

ミャンマーでは1962年から国民を軍事力で統率・支配する恐怖の軍事政権が数十年間続いていましたが、今から10年前の2011年に民政移管の合意がなされ、アウンサンスーチー女史のリーダーシップの下で民主的な政権の運営がなされてきたはずでした。

アウンサンスーチー女史とNLDはかつて国内で自由な活動が禁じられていましたが、2015年それまでのミャンマーで最も自由で民主的な選挙が行われ、選挙に勝利したNLDはミャンマーを民主的にリードしてきて5年間たち、政権は今年2月1日で2期目に入る予定でした。

しかし、ミャンマーの現在の与党である国民民主連盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー国家顧問や与党の政治家が拘束され、軍事政権が全権を掌握しました。これが軍事クーデターです。

今回のクーデターを主導したミン・スエ氏が大統領代行に任命され、これから1年間に及ぶ非常事態宣言が正当化されました。

昨年11月の総選挙ではアウンサンスーチー氏が率いるNLDが得票率80%以上で大勝し、国軍系の最大野党はわずかな票しか獲得できず、選挙に敗れたのは明らかでしたが、そのことを決して受け入れてはいませんでした。

昨年のアメリカ大統領選で最後にトランプ氏が得票数でバイデン氏を下回ったとき、トランプ氏が選挙が公正に行われていないと主張して自分の敗北を受け入れようとしなかったことに酷似しています。

軍事クーデターそのものは「無血クーデター」で、とりあえず死者や負傷者を出さずに国軍は政権掌握に成功しました。

「クーデター」を視点を変えて説明すれば、国のトップであるアウンサンスーチー(大統領)を軽微な罪で逮捕し、副大統領(ミン・スエ氏)を大統領代行に据えて、国民には非常事態宣言を発令することです。

「警備な罪」の内容が「不正選挙」だったわけです。

全権掌握した軍の管理下で、民間の放送局は放送を停止し、軍が運営するテレビ局が放送することで言論の自由も抑制されてしまっています。

ヤンゴン国際空港は封鎖され、要所には軍や警察が配置されてにらみをきかせているのが現在のミャンマーの姿です。

ミャンマークーデターが起きた原因は?

クーデターはなぜ起きたのかを考えると、まず第一にあげられることは、国軍が昨年の総選挙不正があったと主張し、負けたとは思っていないからなのです。

しかし、「不正選挙」は表向きの理由であって、政権を大統領から奪い取るための手段でした。

クーデターの本当の目的は政権の中枢からアウンサンスーチー氏とNLDを排除することでしいた。

ミャンマーの憲法は軍事政権時代の2008年に制定され、有事には軍の最高司令官が大統領の職務を代行できることが定められています。

ミャンマーは民主化をたどっているようでありながら実は国軍の実権も厳然と残されてきたのです。

議席の4分の1は軍に割り当てられているため、アウンサンスーチー氏が憲法を改正したくても、改正に必要な4分の3の賛成を得られないためできない縛りがあったのですね。

今年の2月1日に総選挙後初の議会も開幕するその日がターゲットとなったのは、民意を背景にアウンサンスーチー氏が今後、放置すればさらに勢いを増し、憲法改正に踏み切り軍を弱体化させることも可能となる危機感があったからという見方が有力となっています。

国際的にはアウンサンスーチー氏は(ミャンマーの)「母」と呼ばれるのに対し、国軍は自分たちがこの国の「父」と考えています。

ミャンマークーデター後のこれからの展開は?

ミャンマークーデター後のこれからの展開は?

昨年の総選挙で不正があったという主張に証拠がないまま国軍が実権を握り、現行憲法を維持しようとするでしょう。

現行憲法が変わらない限り、国軍は実質的支配権を今後も維持できるわけです。

今後1年間は非常事態宣言の名の下で、軍が情報統制を含めたあらゆる統制をはかっていくことでしょう。

実際、軍は今後、選挙に不正が行われたかの調査を行い、軍主導で「自由で公正な選挙」を改めて実施すると語っています。

しかし、軍の構想通りに進む前に、アウンサンスーチー氏や与党政治家の拘束や言論統制を決して受け入れることのない国民の反発があることは明らかですね。

また、国民に対する抑圧や言論統制に対しては先進国首脳が不快感を示し、アメリカのバイデン大統領はじめ、何らかのペナルティを課すなどのアクションを既にとろうとする動きも見られます。

従って、国内的にも国際的にも緊張が高まることは予測できても、そこから先どうなるかは国際問題の専門家も未だ特定できていません。

ここ10年間民主化の進展とともに国際的な援助も得て経済的な発展も遂げてきたミャンマーが、再び発展の道を歩むか、逆に過去の軍事政権時代の暗黒時代に退行してしまうのかの試練のときを迎えています。

国際社会の対ミャンマーの外交政策はどうなる?

今回のクーデターでミャンマーの生末が1990年代から2000年代の非民主的な時代に逆行してしまうのではないかが大きな懸案事項となってきました。

主要国の対ミャンマーの外交政策がこれからどうなるか気になりますが、ミャンマーの近隣諸国では東南アジアへの影響力拡大を狙う中国の動向がやはり注目の的ですね。

ミャンマーは中国内陸部とインド洋を陸路で繋ぐ戦略的に重要な地であり、クーデター後の情勢がどうであれ、内政干渉と受け取られることはこれまでもしななかったし、今後もしないという見方が有力です。

これまでミャンマーとは一帯一路の経済政策の政策をとって、多額の資金援助を行っており、軍事クーデターを批判してミャンマーとの関係が悪化することは国益にかなわないため、今後も干渉しない可能性が大きい。

仮に批判したとしてもそれは表向きだけと考えられる。

一方、ミャンマーの非民主的な独裁政権の時代には制裁も課してきたアメリカは、早くもバイデン大統領が不快感を表明しています。

力づくで非合法な政権奪取の責任は取らせるという発言内容から、トランプ大統領に続いて何らかの経済制裁を加えようとするのは明らかです。

オーストラリアの米ン首相もアメリカと同一の歩調をとろうとしています。

アメリカは同盟国との関係を重視し、何らかのアクションを起こしてスーチー氏らの即時解放を訴えるとは思いますが、中国の出方を見ながらということになりそうです。

このときの日本の対応も注目されます。

阿部首相とトランプ大統領とは「蜜月関係」が続いていましたが、菅首相とバイデン大統領はまだどちらも誕生したばかりで、本当の信頼関係を構築するのはこれからだからです。

基本的にはアメリカの同盟国としてアメリカの出した政策に同調していく日本のスタンスは変わらないという見方が有力です。

ミャンマークーデターの原因と現状、これからの展開(まとめ)

2015年から5年間はアウンサンスーチー氏が率いるNLD政権が続いて、ミャンマーは民主化をたどっているように見えたが、2月1日クーデターで国軍が全権掌握してしまいました。

2月1日のクーデター決行の背景や原因としては、昨年の総選挙の結果を軍が受け入れず、今後の選挙のやり直しを軍主導でやることが、表向きの理由となっているが、軍の統制力強化や巻き返しの意図があるともいえます。

国内的にも国際的にも、国軍の民主化に逆行した動きについては反発が強まることが予想されます。

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