野村克也氏が心不全で急逝し、プロ野球界からまた巨星が1つ消えた。
野村克也氏の息子でもあり、楽天で一緒に一軍バッテリーコーチとして野村監督に仕えた野村克則氏が語った想い出は多くの人の胸に去来する偉大な人物像だった。
楽天の監督と一軍バッテリーコーチ
野村監督が楽天で指揮を執った4年間、克則は一軍バッテリーコーチを務め、監督の対談とともに
克則も退団した。
楽天の4年間、チームは万年Bクラスから初めてAクラス入りしクライマックスシリーズを経験した。
克則がみてきた父はやはり「偉大な存在」だった。
監督としての目配り、采配のスキル、現場でのモチベ-ションの維持やリーダーシップ、その他あらゆることを常に身近なところで学ぶことができた克則氏にとっては全てが良い想い出であり、また全てが自分にとっての財産だったというのは偽りないところだろう。
名将野村監督ならではの情報ソース・教育ツール
自分で開発した戦略ツールの数々
戦後初の3冠王を成し遂げた野村克也氏は選手としてもずば抜けた成績を残したが、それ以上に数々の名言を残した。
また、歴史に残り記憶に残る戦術やツールも野村克也氏ならではのものがあり、その1つが自分の講演や講義、選手教育の手段にも使った「野村ノート」であり、解説者時代には「野村スコープ」でストライクゾーンを9分割し、テレビ画面を使って次の投球を予測したことは、斬新で知的で他の追随を許さないクオリティの高い解説だった。
また選手時代も監督になってからも「ぼやき」とか「ささやき戦術」といわれた攪乱戦術がこれまた独創的だった。
名言は多くの著書の中に不滅の資産として残っている。
視聴者が評価した野村スコープの斬新さ
プロ野球の中継で野村克也氏が解説者を務めるときの楽しみの1つが「野村スコープ」である。
野村スコープとは、投手の投球を分析するためのツールだったが、テレビでプロ野球中継を楽しむ視聴者にとっては、かつてなかった斬新な解説の手法だった。
ストライクゾーンを9つに分割したときのマトリックスがテレビの画面にマトリックスで表示される。
いま投げたゾーンがインコースかアウトコースか真ん中か、また、高め・真ん中・低めで全体として9つに分割され、いま投げた球がどのゾーンにきたかがわかるだけでなく、何故そこへきたのかが分かる画期的なツールだった。
もちろん、あの手法による解説は野村克也氏が初めてであり、過去にあのような解説はなく、視聴者にとって革命的なものだった。
投球の組み立てとその根拠が、素人にも分かりやすくビジュアルに解説されるので、視聴者は、「野球は頭を使ったスポーツ」であることを納得した。
また、プロ野球の解説のうち、あれほど知的・論理的で「知的興奮」を覚える解説にお目にかかったことはなかったのではないか?
野村克也氏が解説するとき以外は野村スコープはなくなってしまったが、解説者の有志が誰か、あの野村スコープの手法を受け継いでくれないかと願っている。
ツイッタ-でたどれる野村克也名言集の片りん
三冠王が獲れるほどの選手になれたのは、明確な目標があったからhttps://t.co/GAjq0PQKcs
— 野村克也 名言集 (@NomuraBOT) February 11, 2020
ベテランが若手以上に自らの可能性を探り日々精進する姿は、生きる教科書https://t.co/Aemyz6ZFSo
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自分が他者より優れている部分はどこなのか。それに気づいたらどうやって才能を磨いていけばいいのか、よくわかるhttps://t.co/MsDpGyzomG
— 野村克也 名言集 (@NomuraBOT) February 11, 2020
まとめ
野村克也氏が亡くなってプロ野球が誇る巨星がまた一つ消えた。
野村克則氏が語る通り、「偉大な人物」として世に残した戦略ツールがいくつかあり、野村ノート、野村スコープといった言葉はすぐ思い出すが、数多くの名言集は不滅の資産である。