現地4月1日、オークランド・アスレティックス対ロサンゼルス・エンジェルス戦は藤浪晋太郎のデビュー登板として注目されました。
また、藤浪晋太郎と大谷翔平の注目対決がありましたが、藤浪晋太郎の2回までのパーフェクト・ピッチングと3回の突然の乱調・降板があり、今後の対戦に関心が集まりました。
藤浪晋太郎はかねてからその素晴らしい素質やポテンシャルをうわさされ、大谷翔平と遜色ないとまで評価する人もいます。
藤浪晋太郎と大谷翔平の本質的な違いは何か、またその理由は何かといった分析を試みてみました。
また、今シーズンからアスレチックスに移籍して大谷翔平と何度も対戦する可能性がある藤浪晋太郎はメジャーで大谷翔平のライバルになれるかを調べて検証してみました。
藤浪晋太郎と大谷翔平の違いとその理由!
藤浪晋太郎と大谷翔平のwikiプロフ
藤浪晋太郎のwikiプロフ
出身地:大阪府堺市南区
生年月日・年齢:1994年4月12日(28歳)
血液型:A型
身長・体重:197㎝ 98㎏
出身校・経歴:大阪桐蔭高等学校 → 阪神タイガース(2013-2022年) → オークランド・ア
スレチックス(2023~)
高校時代は「浪速のダルビッシュ」と呼ばれ、松坂大輔を擁した横浜高校以来となる史上3校目の「高校三冠」を達成した。
大谷翔平のwikiプロフ
出身地:岩手県水沢市
生年月日・年齢:1994年7月5日(28歳)
血液型:B型
身長・体重:193㎝ 95.3㎏
出身校:経歴:花巻東高等学校 → 北海道日本ハムファイターズ(2013ー2017年)
→ ロサンゼルス・エンジェルス(2018~)
高校2年春には最速151km/hを記録し、「みちのくのダルビッシュ」と呼ばれ注目を集める。
プロ野球ドラフト会議前には、NPBだけでなくMLB球団からも注目され、「日本のプロよりもメジャーリーグへの憧れが強く、マイナーからのスタートを覚悟の上でメジャーリーグに挑戦したい」と語った。
藤浪晋太郎と大谷翔平のプロ入り後
藤浪晋太郎のプロ入り後
平均球速154.2km/h、最速162km/h(2020年10月19日計測)の動く速球を武器とし、スライダーやツーシーム・フォーシーム等の変化球を操る。
入団した2013年の活躍は目を見張るものがあり、セ・リーグでは、1967年の江夏豊以来46年ぶりとなる5人目の高卒新人10勝を記録した。
入団4年目までは42勝を挙げたが、その後は伸び悩み10年目の時点で通算57勝しか達成できなかった要因とされているのが制球難で入団当初から「ノーコン病」が指摘されていた。
復調した2021年は自身初の開幕投手に指名され3年ぶりに開幕ローテーション入りし、4年ぶりに甲子園で勝利投手にもなったが、四球を連発してもろさを露呈する試合も多かった。
シーズンの成績は21試合の登板で3勝3敗、防御率5.21という数字からも表れているように、良い時と悪い時の紗は解消されないままだった。
12月8日、前年から1100万円減となる推定年俸4900万円で契約を更改。2016年の推定年俸1億7000万円から6年連続でのダウンとなった。
2022年は春のキャンプから順調な仕上がりで開幕2戦目の登板も確定していたが、自身のコロナ感染などもあって、2軍での調整期間も長かった。
7月以降は1軍投手陣の絶好調などの要因もあってなかなか1軍登板の機会がなかったが、復帰した8月には巨人戦で491日ぶりとなる先発白星を挙げた。
9月9日の対DeNA戦(横浜)では、プロ通算1000奪三振をNPB史上8番目の速さで達成し、記録に残る仕事を成し遂げたシーズンでもあった。
8月の再昇格後は先発登板した7試合中6試合でクオリティースタートを達成し、全試合で与四死球を3以下に抑えるなど、特筆すべき安定感を示した。
オフの10月17日にポスティングシステムを利用したMLB挑戦が発表された。12月1日にMLBにポスティングの申請が受理され、本来の夢だったメジャーリグへの遺跡を手中にした。
2023年1月14日にオークランド・アスレチックスに移籍。
大谷翔平のプロ入り後
プロ入り前にメジャー球団からも注目された大谷翔平はロサンゼルス・ドジャースやテキサス・レンジャーズ、ボストン・レッドソックスとの面談を経て、10月21日にMLBへの挑戦を表明した。
しかし、10月25日に行われたドラフト会議ではファイターズが大谷を1巡目で単独指名し交渉権を獲得し、入団までこぎつけた。
プロシーズン1年目の2013年から二刀流として活躍し、オールスターゲームにはファン投票で外野手として初選出され、第1戦では5回から投手として登板し1回2安打無失点、最速157km/hを記録する投球を見せ、降板後は左翼の守備に就いた。
初年度、投手としては13試合に登板し、3勝無敗、防御率4.23を記録した。打者としては77試合に出場し、打率.238、3本塁打、20打点を記録した。
2014年度、投手としては24試合に登板し、11勝4敗、防御率2.61を記録した。打者としては86試合に出場し、打率.274、10本塁打、31打点を記録し、前年度に比べて確実に二刀流としてステップアップした。
2015年、10月6日のパ・リーグ全日程終了時点でハーラートップの15勝、防御率2.24、勝率.750で最多勝利、最優秀防御率、最高勝率の投手三冠に輝いた。
高卒3年目での15勝到達は、球団では2007年のダルビッシュ有以来となった。一方、野手としては年間通して低迷し、最終的に打率.202、5本塁打、17打点の成績に終わった。
2016年、9月13日に対オリックス戦で、糸井嘉男への投球で自身の持つNPB公式戦最速記録(かつ日本人最速)を更新する球速164km/hを計測した。
9月28日の西武戦(西武ドーム)で9回1安打15奪三振で完封勝利を挙げ、日本ハムの4年ぶりのリーグ優勝達成に貢献。この試合で10勝を挙げ、自身2度目の「同一シーズンで2桁勝利と2桁本塁打」を達成し、NPB史上初の「10勝、100安打、20本塁打」を達成した。
クライマックスシリーズファイナルステージでは第5戦で、3番・指名打者として先発出場し9回にDH解除でリリーフ登板。
自身初セーブを挙げ、4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同試合では自身の持つ当時のNPB最速記録(かつ日本人最速)を更新する球速165km/hを計測。
日本シリーズでも二刀流を貫き、日本ハムの日本一に貢献した。
11月25日、パ・リーグのベストナインが発表され、史上初の投手と指名打者のダブル受賞を果たした。
2017年は4月8日のオリックス戦で一塁への走塁の際に、左ハムストリングス(太もも裏)を痛め、大阪市内の病院で検査を受けた結果、左大腿二頭筋の肉離れと診断され9日に登録を抹消された。
6月27日に一軍復帰出場を果たすものの、シーズンも怪我の影響で満足のいくプレーはできず、投手としてはプロ入り後ワーストタイの3勝、野手としても65試合出場、8本塁打という成績に終わっている。
11月11日にポスティングシステムを利用してMLBに挑戦することを表明
12月9日にロサンゼルス・エンゼルスと契約合意
2018年、打者として104試合(代打22試合)に出場し、打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁。投手としては10試合に先発登板し4勝2敗、防御率3.31の成績を残し、MLB史上初の「10登板、20本塁打、10盗塁」を達成し、シーズンを終了。
10月1日、ロサンゼルス市内の病院でトミー・ジョン手術を行い、成功した。
同日、9月のア・リーグのルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞した。4月以来2度目の受賞となり[、日本人選手が同賞を複数回受賞するのは2001年のイチロー以来となった。
2位のミゲル・アンドゥハーに48ポイントの大差をつけ、ア・リーグの新人王を受賞した。日本人選手の受賞は2001年のイチロー以来17年ぶり4人目となった。
2019年、106試合に出場し、打率.286(384打数110安打)、18本塁打、62打点を記録。
2020年は投手としては2試合だけの出場で終わる。44試合で、打率.190(153打数29安打)、7本塁打、24打点の成績。
2021年は飛躍の年となった。MLBでは自身初めて投打の二刀流として怪我なくシーズンを完走。
打者としての最終成績は打率.257、46本塁打、100打点、OPS.965、26盗塁、投手としての最終成績は9勝2敗、防御率3.18、156奪三振という飛躍のシーズンとなった。なお、45本塁打25盗塁は史上6人目の快挙といわれている。
オフの10月22日に日本版のフォーブス30アンダー30の一人に選ばれた。11月18日には同年の二刀流での活躍が評価され、アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に史上19人目の満票で選出された。
日本出身の選手としては2001年のイチロー以来史上2度目となる。
11月23日に自身初めてオールMLBチームのファーストチーム指名打者、そしてセカンドチーム投手に選出された。その他にもシルバースラッガー賞やエドガー・マルティネス賞など数々の表彰を受けた。
2022年、近代MLBで初めて投手打者の両方で規定回に達した初めての選手になった。
開幕投手を務め最終戦まで28登板連続でリアル二刀流を実践し、投手としては15勝、防御率2.33、奪三振219でMLB2位の奪三振率11・9を記録。 防御率2.33はリーグ4位で、コロナ禍で短縮された20年を除けば95年の当時ドジャースに所属していた野茂英雄の同2.54を抜き日本選手歴代最高となった。同年の打者では157試合に出場し、打率・273、34本塁打、95打点、11盗塁を残した。
DH成績では大谷が7部門でトップを記録。大谷の2年連続受賞となり、これが今オフ初の表彰。
藤浪晋太郎と大谷翔平の違いとその理由
野球評論家の金村義明氏によると、藤波晋太郎の潜在能力は大谷翔平に劣らず、入った球団の違いが2人の違いにつながったと分析している。
藤波晋太郎の入団した阪神タイガースは関西屈指の人気球団で、自分に合った調整ができない拘束と不自由度が成長を阻害してきたと見る。
藤波晋太郎の入団した球団が日本ハムだったら、大谷翔平と同じ程度の実績を挙げていても不思議はなかったという。
2023年4月2日の藤浪晋太郎と大谷翔平の対決にはアメリカのメディアも注目しコメントしていた。
米国「ロサンゼルス・タイムズ」のスポーツコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス氏は大谷と藤浪について「若い頃から世界最高のステージでの対決が予想されていた」とし、花巻東高校の大谷と大阪桐蔭高校の藤浪が甲子園で初対決していたエピソードを紹介。
さらに「大谷が二刀流にこだわっていたため当初は藤浪の方が良いスタートを切っていた」としている。
しかし、この日の試合では藤浪は3回途中、8失点で降板。初登板を終えた時点で防御率30・86という数字を残したことで「大谷と藤浪の差は試合前より広がった」としている。
藤浪晋太郎は大谷翔平とメジャーでライバルになれるか?
米メディアも注目する1994年生まれの両投手。「フジは過去10年日本で過ごした後、多くのファンとともにやってきた。2013年にプロデビューする前、彼への注目度が高まり始めたのは高校時代で、甲子園で対戦したショウヘイ・オオタニのライバルと見なされていた」とプロ入り前からの2人の関係を説明していた。
米カリフォルニア州地元ラジオ局「95.7 ザ・ゲーム」は「シンタロウ・フジナミがショウヘイ・オオタニとの対戦でオープン戦デビューする」との見出しで記事を掲載。
「アスレチックスの春季キャンプで、シンタロウ・フジナミほど話題となった選手は他にいない」と注目度の高さを伝えた。
今春のオープン戦は5試合(18回2/3)で3勝0敗、防御率3.86とアピールに成功したと言っていい。先のブリュワーズ戦のように制球を乱す場面はあるが、以前から「一流のスターター」と藤浪を高く評価するマーク・コッツェイ監督も28歳の右腕が見せる力強いボールに惚れ込んだのだろう。
アスレティックスは、開幕投手候補だったポール・ブラックバーンが故障離脱中で、さらにローテーションの軸になり得るジェームズ・カプリリアンも状態が芳しくなく、ルーキーに頼らざるを得ない状況ではある。そうしたなかで早々に出番が与えられる運びとなった藤浪には、地元メディアも期待を寄せる。同球団の専門サイト『Athletics Nation』は、こう記している。
「あのオオタニと互角に渡り合うには、大きなアドバンテージを持つ投手が必要であり、良い日のフジナミは、彼(大谷)に匹敵するような相手を一掃する力を持っていると言える」
米メディアが伝えるように、オープン戦段階ではアスレチックスのマーク・コッツェイ監督は藤波晋太郎を高く評価していた。
藤浪晋太郎は、4月2日(日本時間)に行われたエンゼルス戦で、記念すべきデビュー戦のマウンドに立った。
大谷翔平とは10年ぶりの対決、しかも甲子園からメジャーへと移った舞台にも最高の話題性があった。
この日、先発投手として登板した藤浪は、3番DHで出場した大谷翔平を内野ゴロに打ち取るなど、1回と2回をパーフェクトに抑える上々の立ち上がりを見せた。
ところが3回を迎えるや、突如として崩れ出し、3回途中で無念の降板。終わってみれば「3回8失点」「防御率30.86」という、惨憺たる成績。
藤浪が次回以降も今回のように突如として歯止めの効かない崩れ方をして失点を重ねるようだと、シーズン途中で『マイナー降格』か『DFA』(戦力外通告)を言い渡される可能性がある。
今はまだ始まったばかりだが、藤波晋太郎のポテンシャル辞退は高く評価する声はあっても、それを売らず蹴るには本人がこれからの登板で信頼を得る必要がある。
日本でも一番厳しい見方をしている廣岡達朗氏は日本で通用しない選手がメジャーで通用するわけがないと手厳しい。
今シーズン、藤波晋太郎が大谷翔平のライバルになれるかどうかの前提として藤波晋太郎がマイナーに降格しないでメジャーに踏みとどまれるかについて早くも黄信号が転倒している。
藤浪晋太郎と大谷翔平の違いとその理由!メジャーでライバルになれるか?(まとめ)
同じレベルのポテンシャルをもつという見方もある藤浪晋太郎と大谷翔平の違いについて前半で論じた。
後半では、藤波晋太郎が今シーズンメジャーで大谷翔平のライバルになれるかについて論じた。