このところコンビニに行ってみるとスーパーよりも安い野菜が陳列されている。
以前はコンビニで野菜といえば冷凍食品やカット野菜、惣菜などに限られたイメージだったが、最近はスーパーのように生鮮食料品としての野菜、トマトやカボチャ、ホウレンソウ、ネギ、ナス、ニンジンが並べられている。
スーパーより安いそうした野菜を見ていてどうしてなのか、スーパーより安い理由はなぜか知りたくなる。また、安くても品質と安全性に問題があれば困るが、それは大丈夫か?
日常浮かぶそうした疑問に答える記事を作成してみました。
コンビニの野菜がスーパーより安い理由は?
コンビニの野菜は確かにスーパーより安い!
セブンイレブンでは野菜・果物コーナーを特設している店舗もあるが、そこまでいかなくても店奥に行けば、段ボール箱で箱詰めしたり、お得な価格が分かるように陳列されてるのを目にする。
例えば、ダイコン1本108円で太くて大きなものが購入でき、同じものはスーパーでは1割以上は高いことが多い。
トマトとかきゅうりのばら売りでも、平均してスーパーよりも1割以上安いものも見つかる。
安くても見た目や大きさで劣ればメリットはないが、新鮮さと見た目は決して劣らず、曲がったものや干からびたものはまず見ない。
店舗によっても品揃えの特徴が違うことも多いので、同じセブンイレブンでもいくつか見て歩けば違った掘り出し物に当たることも多い。
店頭のドアに次回の野菜市セールの実施日が掲示されている店舗もあるので、チェックする価値がある。
コンビニで野菜販売が定着した理由
2020年はコロナ渦で苦しめられたが、2021年になってもまだ下火になる兆しが見えない。
昨年の夏頃には外出自粛ムードのさなか、自宅近隣のコンビニをスーパー代わりに済ませるニーズがか広まった。買い物客が「蜜」になるスーパーを避けて、近くでまた短時間で、そして人があまり密集していないコンビニで買い物をすませるニーズが拡大してきたのだ。
このニーズに対応してコンビニ各社も、スーパーでしか扱っていなかった食料品の販売に力を入れ始め、仕入れや調達のルートの探索にも力を入れてきている。
このニーズは野菜や食料品だけでなく、酒類や日用品にも及んでいる。
また、コンビニならではの存在価値として「お手軽さ」「利便性」「迅速性」があげられる。
売り場面積が大きくて商品を選んだり見たりするにも時間のかかるスーパーよりも、ぶらっと立ち寄って短い時間で買い物できるコンビニは重宝されている。
野菜類でも、お弁当といっしょにカット野菜をサラダ代わりに買ってすぐ食べるという需要が発生し、スーパーよりもカット野菜の売り上げにつながる。
また、電子レンジで温めればすぐ食べられる冷凍食品・冷凍野菜も最近は品揃え豊富になってきて、こちらも市場の価格変動を受けにくいコンビニ野菜を安く調達できる選択肢となる。
コンビニの野菜は市場の価格変動の影響を受けにくい
スーパーはもともとスケールメリットを生かし大量仕入れ、大量販売を基本としている。たくさん仕入れることにより、それだけ安く販売できるという原理である。
そして、豊作だとか逆に天候不順によって需要と供給のバランスが崩れたときに価格変動が大きくなるが、スーパーは市場の価格変動の影響をもろに受けやすい。
一方、コンビニは定価販売を基本としていて、一度決めた価格を変更しにくい。もちろん価格を決めるのは本部であって、各店舗の裁量で自由に値上げしたり値下げしたりできるわけではない。
天候不順の影響で野菜の相場が上がってスーパーでは迅速に値上げが行われるのに対して、コンビニではすぐに値上げというアクションをとることはなく、そのままの定価で販売される傾向にある。
これは野菜だけでなくその他の食料品でも共通している。
この価格決定のメカニズムの違いでスーパーよりもコンビニの野菜が安くなっている。
コンビニの野菜の仕入れ先の多様化
コンビニの野菜の仕入れルートには大きく分けて2つの種類がある。
①コンビニチェーンの本部からのルート
②各店舗独自の契約農家からのルート
①の本部からのルートでは、基本的に同じ地域、同じチェーンのコンビニであれば価格差はない。
ある野菜の価格が高騰したときにはスーパーより安いことが発見できたりする。
②の各店舗独自のルートの場合、調達先も価格も一律でなく、非常に多種多様である。
お店に八百屋が入っているコンビニとそうでないコンビニがあるが、入っている場合は店舗ごとに入っている野菜の種類も価格もまちまちである。
なぜなら、八百屋経由の野菜はスーパー同様市場の価格の動向の影響を受けやすいからだ。
一方、例えば大きなダイコン1本100円とか、ホウレンソウ1束100円とか、びっくりするほど安く販売されている野菜は、近隣の農家から直接契約していて八百屋を通ってないものが多い。
その近隣の農家と直接契約するルートがいま多様化し、トレンドになりつつある。
どの野菜がどれだけ安いかは行ってみるまでわからないが、特定の野菜に限っては本当に驚くべき安価で販売されているので、「掘り出し物探し」の感覚でコンビニに行く価値はじゅうぶんある。
コンビニの野菜の品質と安全性は大丈夫?
コンビニで野菜を買うメリットとして自分の目で見て、気に入った物を選び吟味できることがあげられる。
これをスーパーや青果店で行うときは人目が気になることがある。
生鮮食料品としての野菜の品質と安全性
コンビニチェーン本部からの調達ルートであろうと、店舗独自の契約農家からの調達ルートであろうと、野菜それ自体はスーパーに並ぶ野菜と品質や安全性に違いがあるわけではない。
価格が安いからといって、品質や安全性の劣るものを販売すれば、そのエビデンスをつかまれた段階で信頼を失うことは目に見えている。
コンビニチェーンに勤めている人物にも確認したが、販売する食品の品質や安全管理については消費者以上にナーバスに、真剣に取り組んでいる。
例えば、カット野菜や千切りキャベツの場合、八百屋の野菜と違って、加工の行程を経ており、着色料や添加物まみれになっているというイメージがあるが、これはあたらない。
ただ、次亜塩酸ナトリウムを使って殺菌・洗浄されていることはあっても、栄養価を減じることにはならないし、安全性が損なわれて身体に有害なものが不可されるわけではない。
見た目にシャキッとして新鮮そうに見えるのも、徹底した殺菌・洗浄と低温度で鮮度を保つコールドチェーンという手法のおかげであり、添加物を使っているからではない。
冷凍食品や惣菜の品質と安全性
コンビニ野菜は体に悪いとか、添加物だらけだという情報がネット上で見つかることがあるが、その点も心配は無用といえる。
例えばセブンイレブンの食品専用工場ではカット野菜などの加工食品をつくるとき、HACCPを基本として厳しい安全管理システムを構築している。
HACCPは、宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理手法で、この基準を満たす品質管理が行われているかの検査機関の検査に合格するのは大変である。
現在でも約140項目の衛星管理手法の基準にかなうかどうかのチェックが常時行われている。
また、セブンイレブンでもローソンでもどこでもそうだが、食品の加工に際して保存料・着色料は使用しておらず、「添加物だらけ」という情報はあたらない。
また、加工食品を作る過程で洗浄に使用される次亜塩素酸ナトリウム(塩素系殺菌剤)は微生物や最近を取り除く殺菌剤として欠かせないもので体に有害な成分は含まれていない。
コンビニでは消費者として安心できる品質と安全性を備えた食品を販売しているといって良い。
コンビニ食品の最新のキーワードは「健康」
ステイホームのトレンドが長引く中、コンビニの底力が注目を集めている。
冷凍食品も中食もスイーツもみな売上げが前年比100%を超えている。
コンビニ大手が販売しているおにぎりやお弁当は保存料や合成着色料を使っておらず、パンのトランス脂肪酸も削減につとめているという。
中食にしても惣菜にしてもかつてのうわさのような食品添加物を使った食品を大手コンビニが使うことはなく、「健康志向」はコンビニのトレンドでもある。
たとえばローソンは、4月下旬から“シールド乳酸菌100億個配合”と銘打ったサラダを販売する予定ですし、土壌の質にこだわった『ローソンファーム』という農場を全国18か所に展開していて、自社商品に使う野菜や店頭で売る野菜の生産者まで追えるようになっています。
このような品質管理の徹底は大手コンビニが競って行っていて、野菜やサラダはもちろん、食品全般について安心できる品質管理をコンビニは徹底してくれるようになった。
コンビニの野菜販売の今後
コロナ禍は2022年になっても終息せず、スーパーに行かなくてもコンビニで野菜が帰るニーズは衰えることはないように見える。
野菜販売の今後の取組みについてもコンビニ3社とも「拡大」はあっても「縮小」はない。
ファミリーマートでは「目玉品」や「価格優位性」の観点から契約農家との提携が今後も進むと思われる。
ローソンではその街に合わせたローカライズ・カスタマイズした店舗づくりを進めており、野菜・果物でいうと、地場野菜の品ぞろえに今後ますます力を入れる。
セブンイレブンではこれまでイトーヨーカドーで取り扱っていた『顔が見える野菜』シリーズを、一部エリアにてテスト販売している。
グループシナジーを生かし、おいしくて安全な野菜を品ぞろえすることに今後力を注ぐ。
コンビニ3社が野菜販売に乗り出す理由と今後の動きについてはDIAMOND ONLINEの記事を参照している。
まとめ
最近、コンビニの店舗で野菜が安く販売されているのを見ながら生じがちな疑問に基づいて記事作成してみた。
コンビニの野菜がスーパーより安いのはなぜか、また安くても品質や安全性には問題がないことを確認した。
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