5月5日、マツダスタジアムの巨人戦で来日初先発・初勝利を飾った広島カープの新外国人・アンダーソンが注目されている。
MLBではほとんど実績を残していないにも拘わらず広島カープが獲得に動いたのは日本で活躍できるという確信と根拠があったためである。
アンダーソン投手の個人プロフィールやMLBでの経歴を紹介し、日本での活躍が期待される潜在能力の高さにふれていく。
また、専門家の間で前評判が高い理由についてもふれてみた。
アンダーソン(広島カープ)の経歴(MLB)・潜在能力!
アンダーソン(広島カープ)のwikiプロフィール
ドリュー・アンダーソン(Drew Anderson)
出身地:アメリカ ネバダ州リノ
生年月日:1994年3月22日(28歳)
身長・体重:190.5㎝ 93㎏
投球・打席:右投・右打
ポジション:投手
年俸:7700万円
背番号:42
大谷翔平から三球三振を奪ったアンダーソン
昨シーズンテキサス・レンジャーズに所属していたアンダーソンは対エンゼルス戦で大谷翔平を三球三振に切って取った男として知られている。
MLBでは球速も奪三振率も普通のレベルで特に注目されていなかったアンダーソンだが、日本では目立っている。
2022年の開幕前の2軍戦は3試合に先発し、16回2/3を7失点(自責6)で防御率は3・24。奪三振率は10・8と高い奪三振能力を見せつけている。
最速155キロの球速も日本ではかなり速い方で、先発ローテーションの主軸や中継ぎのエース、クローザーなどが務まるレベルである。
大谷翔平との対戦動画もあるので見ておきたい。
2021年9月30日(日本時間では10月1日)の対戦であった。
アンダーソンのMLBでの経歴
アンダーソンは2012年にドラフト21巡目でプロ入りし2017年にフィリーズでメジャーデビューを果たしている。
2017年~2019年 フィラデルフィア・フィリーズ在籍
2020年 シカゴ・ホワイトソックス在籍
2021年 テキサス・レンジャーズ在籍(大谷翔平との対決はこのとき)
メジャー通算は先発2試合含む19試合で1勝3敗、防御率6・50と目立った実績は残していない。
昨季レンジャーズでの1年間は9試合登板(1先発)し1勝1敗、防御率3.27
日本での活躍が期待されるアンダーソンの潜在能力
アンダーソンはメジャーリーグの通算では19試合登板のうち2試合しか登板していない。
しかし、マイナーリーグでは通算46試合中42試合とほとんど先発で起用されていることから、日本で先発ローテーションが務まる潜在能力が十分あると分析できる。
また、昨季の2021年にはメジャー・マイナーともにキャリアハイとなる実績を残す裏付けがある中
で大谷翔平とのメジャー対決も実現している。
持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップと球種も豊富でストレートの平均球速が149キロは日本では魅力十分だろう。
ストレートの最速も155キロという看板を引っ提げての日本デビューが楽しみな素材である。
しかも、年齢的に28歳と若く、大谷翔平と同年代であることを考えるとまだまだ伸びしろ充分で発展途上の楽しみがある。
2022年ウエスタンでは3試合に登板し1勝0敗、防御率3・24を残した。衝撃的だったのは初登板した4月9日・同阪神戦だ。6者連続三振を含め6回9奪三振1失点。最速152キロのストレートを軸に、奪三振を連発してみせた。
アンダーソンのスカウト事情と前評判の高い理由
アンダーソンのスカウト事情
豪州の野球チーム「ダウンアンダー・トラベラーズ」のインスタグラムが伝えたところによると、アンダーソンは2020~2021年にメルボルン・エイシズでプレーしていたことがあるという。
日本のNPBに入ってプレーできるようにレンジャーズにリリースを求めた結果、レンジャーズをリリースされることになったと伝えている。
この意味でアンダーソンはあらかじめ日本野球をよく調べ、日本のレベルと自分の実力を比較検討し、日本で活躍するための戦略を練っていたと思われる。
昨シーズン、外国人助っ人には期待外れの結果に終わった広島カープは鈴木誠也がいなくなった今シーズン、外国人がチームの命運を担う重要なカギを握る。
2021年のシーズンが終了した時点では中継ぎ陣の整備だけでなく先発投手のコマ不足が問題視され、投手陣全体を立て直す必要があった。
アンダーソンは明らかに先発を任せられる人材として発掘された。
広島カープにはエルドレッド氏とシュールストローム氏という在米の2大スカウトがいるが、どちらもスカウトした外国人には「日本で成功するためには頭を使って野球をやる必要がある」と教えている。
2016年~2018年のリーグ3連覇の頃もシュールストロム氏とスコット・マクレーン氏という2大中米スカウトが球団を支えた。
投手を技術的にみるときは球速や投げ方・角度などの基本的なことの他、多摩に対するコンタクトが優れる日本の打者をねじ伏せるだけの力があるかどうかを見極めるという。
一方、性格も重視され、本来の投球ができなかったときにどういう態度をとるかもしっかり見て、日本の野球に適応できるか見極める。
アンダーソンは四球が少なく、自ら崩れないタイプで長いイニングを任せられる球種の豊富さやストレートの球速を持っていることが技術的には評価された。
また、性格麵では、日本のことを自ら研究して日本入りを希望していた点も適応力の高さのポイントとなったと思われる。
アンダーソンの前評判が高い理由
アンダーソンのフォームはダイナミックなスリークォーター。
球種はフォーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップを使い分け、ストレートの最速155キロを記録した本格派である。
昨年は3Aで15試合(うち12先発)に登板し、4勝5敗、防御率3.06。70.2投球回で86奪三振を記録しており、3Aでは十分な活躍でメジャーでは一軍入りしてもおかしくない。
メジャーに定着できなかったのは、直球の平均球速が140キロ台後半でなおかつスピン量も平均以下のため「データ」上は「並みの投手」の位置づけだったかもしれない。
しかし、来日初登板の4月9日のウエスタン・リーグ阪神戦では、ノビのあるフォーシームを見せ付け、6回2安打1失点、9奪三振と先発として試合をつくり、奪三振率の高さを見せつけた。
専門家が見た印象も、数字以上の迫力があり、日本では即10勝も可能な実力を感じている。
三振は投手にとって魅力的なこと。だが全員を三振に取ることはできない。それ以上に必要なのは、1球投げてアウトを取ること。それが究極の理想
引用元:日刊スポーツ(ヤフーニュース)
2022年アンダーソンの活躍
アンダーソンの日本でのデビューとなる5月5日の来日初登板は鮮烈な印象を残した。
先発して5回まで完全投球を見せるなど、7回1安打7奪三振無失点と好投。来日初勝利をマークした。
初回の三社連続三振は圧巻で、この日打者22人と対戦し、四死球なしで、走者は1人しか許さなかった。
「カープノファンガ イチバンジャケエ」と覚えたての広島弁を使い、お立ち台でもファンの心を一気に掴んだ。
アンダーソンのMLBの経歴と潜在能力/前評判の高い理由(まとめ)
広島カープの新助っ人アンダーソンが巨人戦で来日初登板初勝利7奪三振と鮮烈なデビューを飾った。
アンダーソンのwikiプロフィールやMLB三球団を渡り歩いた経歴についてまとめた。
また、広島カープがアンダーソンを獲得した根拠は潜在能力の高さであり、技術面・性格麵を分析した結果、先発に適性があるとの判断からだった。
カープの駐米スカウトのバックアップも見逃せない。
また、日本では専門家の間でも前評判が高い理由についてもまとめた。
大谷翔平との対戦動画や日本での初勝利となる巨人戦の動画も掲載した。